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広島県・山県郡安芸太田町

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))株式会社日新林業加計出張所広島県山県郡安芸太田町大字加計字神田3340

株式会社日新林業加計出張所

街路に北面して建つ旧銀行店舗。木造平屋建であるが、正側面に庇をつけてつし二階建の町家風に見せる。屋根は寄棟造桟瓦葺で、軒を出桁造の塗籠とする。庇上の窓は内部では高窓となる。正面腰のタイル貼は後の改修であるが、側背面に旧の腰壁竪板張が残る。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))旧筒賀村役場庁舎広島県山県郡安芸太田町大字中筒賀字市1693-1

旧筒賀村役場庁舎

県西部の山間に東面して建つ。正面16m奥行15m、宝形造の木造2階建で、正面中央に半円アーチ形開口部をもつ玄関ポーチを付ける。外装モルタル塗仕上げ、腰スクラッチタイル貼とし、櫛形ペディメントには植物文様をあしらう。山間村落の近代化を示す。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)押ヶ垰断層帯山県郡安芸太田町、廿日市市下山大畑

押ヶ垰断層帯

太田川の上流立岩ダムから押ヶ垰坂根部落に至る約20キロメートルの間の左岸には断層帶があり、線状にならぶ4個の断層丘陵(ケルンバット)が存在する。これらはそれぞれ「タオ」「松ヶ垰」「スケソ」「ニゴヤ」と呼ばれている。
断層帶は断層丘陵の西部の鞍部(ケルンコル)を結ぶ線に沿って走っている。
安芸西部山地の谷間にみられるこのような典型的断層地形は、わが国では他に類例が少もので学術上価値が高い。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)三段峡山県郡安芸太田町・北広島町

三段峡

廣島縣山縣郡ト島根縣都賀郡トノ境界ニ近キ八幡村ヨリ同郡戸河内村ニ至ル太界上流ノ河川峽谷トナス本流ノ上流ヲ八幡川下流ヲ柴木川トナシ支流ヲ横川ニ谷川水梨川等トナス本流ニ於テ約二里ニ亘ル花崗岩石英斑岩花崗斑岩等ノ岩石奇観ヲ呈シテ連續点在シ瀑布渕潭ノ勝景ハ■未タ入ラサル原始林ト相俟テ稀有ノ景觀ヲ成ス溪谷ノ河床略■三段ノ高サヲ異ニシ就中瀑布ノ著大ナルモノ何レモ三段ヲ成ス其ノ名称ハ蓋シ此ニ基リ三段瀑猿飛二段瀑瀧門三重瀧等ハ其ノ秀逸トシテ屈指セラル
中国地方でもっとも高い八幡高原に源を発し約10粁にわたり、変化に富んだ代表的峽谷をなしている。粗粒で明かるい色調を持っている石英斑岩、花崗斑岩から構成され、深度200米に及ぶところがあるほど深く侵蝕する。全峽谷に瀑布、淵潭、急流、■穴、断崖などが連続し、その中心部は嵌入蛇行して豪宕で典型的峽谷景観をなしている。淡紅色の色彩と急傾斜をなす節理とを有する岩石に、豊かな水が乱舞奔流するさまは、近代美の感覚さえ起さしめる。
峽谷は針葉樹と濶葉樹との混合からなる原始林をもっておおわれ、北方種、南方種、中国地方特有種など夛種夛様な植物相をなし、永い年月を経過してかもしだされた中国山脈の天然林の標識的様相であり、よく往古の姿を保存している。高山性の植物が標高の低い峽中に発生し、毎年数回の氾濫増水によって、はじめて生育可能ないわゆる水際植物が発達していることは、ともに峽谷の景観を特徴ずける。モミジの種類に富むばかりでなく、紅黄化する樹種も甚だ夛く、気温の急激な下降によって生ずる秋季の鮮明な紅葉は、峽谷の岩石的風景に反映してまことに美しい。
三っ滝、竜門、三段滝、二段滝、猿飛、黒淵、長渕などは、この単一火成岩峽谷のもっともよく知られたところである。