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徳島県・海部郡牟岐町

国指定文化財(重要伝統的建造物群保存地区)牟岐町出羽島徳島県牟岐町

牟岐町出羽島

出羽島は、徳島県南部、牟岐町の南海上に浮かぶ島で、島北部では、東から西に砂嘴が伸びて入り江をつくり、この入り江周りから島北西部の低地にかけて形成された漁村で、徳島藩の移住政策により寛政12年から集落の形成が始まり、明治後期から昭和戦前期にかけて、主としてカツオ漁やマグロ漁で栄えた。天保11年を最古とし、江戸期から昭和初期にかけて建てられた伝統的な主屋が良く残り、その大半は道路に面して建つ間口3~4間規模の町家で、切妻造、平入、平屋若しくは二階建である。同規模、同形式の伝統的な主屋が、社寺や集落南部の斜面に階段状に形成された畑地、小路、石積・石垣、井戸・燈籠等の石造物等と一体となって、近世後期に徳島南海の島に形成された漁村の歴史的風致を良く伝える伝統的建造物群保存地区。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))松坂隧道徳島県海部郡牟岐町大字内妻

松坂隧道

四国東南部の海岸近くを通る旧幹線道路の施設。延長87m、幅員5.8mの直線状の隧道で、全体をコンクリートでつくる。アーチは三心円アーチで、坑門と覆工の一部をモルタル仕上げとする。大正期につくられたコンクリート造隧道の一例。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)津島暖地性植物群落海部郡牟岐町

津島暖地性植物群落

S48-05-152津島暖地性植物群落.txt: 津島は、牟岐湾の沖400メートルの海上にある約6.5ヘクタールの小島で、東西500メートル、3つの小丘(最高44メートル)に分かれる。スダジイ・コバンモチ・ホルトノキ・タブ・カクレミノ・モチノキなどにうっそうとおおわれ、林下にはホンゴウソウ・ウエマツソウなどの腐生植物が発生している。また、アコウ・アオノタマタケラン・シラタマカヅラなどの亜熱帯性植物の自生北限地としても着目される。暖地性植物群落としての自然状態をよく残しており、学術上の価値が高い。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)出羽島大池のシラタマモ自生地海部郡牟岐町

出羽島大池のシラタマモ自生地

S44-12-022出羽島大池のシラタマモ自生地.txt: シラタマモは、シャジクモ科植物の一属で、日本ではこの一種だけが知られている。かつては秋田県八郎潟で発見されたが干拓事業のため失われ出羽島が唯一の自生地となった。本種の世界における分布は、アフリカのリビヤ砂漠内の塩水性の池、インド洋上のモーリシウス島、南太平洋上のニュー・カレドニアで知られているだけで、熱帯地方に不連続分布している。わが国では、その中でも例外的に温帯に分布しており、シラタマモが中生代に栄えたシャジクモ類の遺存的原生種であることを、淡水産の多いシャジクモにあって半[[鹹]かん]水に生育することともに裏付けている。出羽島大池は、海水2・淡水1というシラタマモ生育の条件をそなえており、海水は海岸の巨礫の間を通じて適度に供給されている。