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高知県・高岡郡梼原町

国指定文化財(重要文化的景観)四万十川流域の文化的景観 上流域の山村と棚田高岡郡檮原町

四万十川流域の文化的景観 上流域の山村と棚田

「四万十川流域の文化的景観 上流域の山村と棚田」は、四万十川流域の厳しい自然条件の下で営まれた林業と小規模な棚田の耕作によって形成された文化的景観である。檮原町は、四万十川最大の支流、檮原川(流域面積451k㎡、幹川流路68km)の源流に位置している。町域のおよそ90%が、スギ・ヒノキの人工林とともに檮原川沿いに生育するコナラ、クリなどの大規模な落葉広葉樹によって占められている。檮原町の豊かな森林は、藩政時代から檮原町の財産であり、人々は常にこれらを管理し、火入れや採草を行うとともに、樹木を伐採して薪の採取や製炭を行ってきた。特に昭和30年代には、国内の木材需要に応えるために拡大造林が行われ、檮原町は大林業地帯となった。昭和50年代には、多くの山村が構造不況に基づいて次々に林業活動を手控える中で、檮原町は常に林業に積極的な姿勢を示し、90年代以降においても、地域内連携の組織化や国際的な森林認証制度による高付加価値化を積極的に図ることによって、一貫して林業による地域づくりを進めている。檮原町は極めて平地が少なく、町内に小規模な棚田が点在する。中でも神在居の棚田(2.3ha)は勾配が厳しく、源流域の乏しい水を合理的に利用しつつ耕作を続け、棚田オーナー制度を積極的に取り入れている。