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宮城県・塩竃市
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))丹六園店舗兼主屋宮城県塩竈市宮町101
鹽竈神社門前町の角地に建つ菓子店で、入母屋造桟瓦葺である。接道する南面と東面は出桁造として軒を深め、重厚な外観を見せる。南からミセ、七畳、オカミ(座敷)、台所及び居間を並べる。南寄りに二階を設け、座敷を配する。門前町の歴史的景観を伝える商家。
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)鹽竈神社の鹽竈ザクラ塩竈市一森山
松島湾の島々を望む景勝地にある鹽竃神社の境内には、古くから「鹽竃桜」が伝えられてきた。
この桜は、サトザクラ系の八重桜で、例年5月上旬に満開となる。花は、淡紅色の大輪で極く短い花軸に密に群生する。その花弁数は35枚から50枚に及ぶ重弁である。花弁には縦の皺がみられ、先端は数条の浅い切れ込みをもつ。また、2本の雌しべは緑色の小葉に変化しているなどの特徴を有する。4センチもある花柄は多少垂れていて、花と同時に開く淡赤色の若葉と併せて、この花の見映えをよくしている。
「鹽竃」なる桜は、堀河天皇の御製にその名がみえることから、平安時代には成立していたと考えられる。また、江戸時代には井原西鶴の小説や近松門左衛門の戯曲にも登場するほど知名度の高いものであった。そのせいか、「鹽竃桜」の名を称する桜は特定の品種に限られず、地方によっては別の桜の呼称にもなっていた。
しかるに、昭和14年、鹽竃神社を訪れた三好学は境内に咲くこの桜に接して、『大和本草』、『和漢三才図絵』、『怡顔斎桜品』など諸文献の記載や写生図にみえる「鹽竃桜」の特徴を見いだした。そこで他の同名の桜と混同を避けるため、「鹽竃神社の鹽竃桜」との呼称を提案した。「鹽竃神社の鹽竃桜」は、古来著名な品種として昭和15年天然記念物に指定された。
指定された「鹽竃神社の鹽竃桜」は単木の高齢木であったため、その後枯死し、昭和34年指定解除された。しかし、鹽竃神社ではその際この桜の苗木育成に努め、境内に植栽して保存してきた。
数多くの桜のうち、古くから広く知られてきた「鹽竃神社の鹽竃ザクラ」は学術・文化両面でその価値は高く、再び天然記念物に指定して、末長く保存を図ろうとするものである。
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)松島塩竈市、宮城郡七ヶ浜町・利府町・松島町、東松島市
第3紀層の凝灰岩から成る大小200余の島が各々松を載いて一湾の中に散在する。
古来日本三景の一として謳われて来た多島風景として特異な景観である。
国指定文化財(重要文化財)鹽竈神社 鳥居宮城県塩竈市一森山
鹽竈神社は塩竈湾を東に望む高台に位置し,古代より陸奥国の一之宮として崇敬された古社である。現在の社殿は,宝永元年(1704)に完成したものである。南面する左宮と右宮,西面する別宮,さらに門及び廻廊,楼門,鳥居からなる。
左宮と右宮の本殿は,同寸同大,同形式の三 間 社 流 造である。入母屋造の拝殿は,寛文3年(1663)の拝殿を再用している。別宮は本殿が一棟であるが,他は基本的に左宮・右宮と同じで,拝殿は寛文3年の本殿を再用している。
鹽竃神社は,類例がほとんどない社殿構成で,整然とした配置計画も優れている。
本殿・幣殿・廻廊は,正統で装飾をおさえた意匠で,拝殿の古風な細部様式や門等の華やかな様式と絶妙な諧調を創り出すなど,創意と工夫が顕現された江戸中期の神社建築として,価値が高い。