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宮城県・角田市
国指定文化財(重要有形民俗文化財)福應寺毘沙門堂奉納養蚕信仰絵馬宮城県多賀城市高崎1丁目22
本件は、江戸時代半ば以降、養蚕の安全と多収を祈願して福應寺毘沙門堂に奉納された絵馬のまとまりである。小絵馬がほとんどで、毘沙門天の使いとされるムカデの姿や「百足」などの文字が描かれている。毘沙門堂に詣って絵馬を1枚借り、家に飾って養蚕の安全を祈願し、無事養蚕が終了すると新たに1枚加え2枚にして奉納するという習俗にもとづいて奉納されたものである。
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)梁瀬浦遺跡角田市岡
阿武隈[あぶくま]川の下流域、角田盆地に西から枝状に延びる1丘陵の先端に繩文時代の集落跡、梁瀬浦遺跡がある。本遺跡は繩文時代中期から晩期にかけての集落とその東側の低地に形成された厚い遺物包含層から成っている。集落の営まれた丘陵は北東に延びており、長さ約100メートル、幅約50メートル程で基部には中期の集落、先端部には後期、全体には晩期の集落が営まれており、傾斜面上には多数の土壙が形成されている。各時期の遺物包含層はほぼ東側に向かって複雑な層位を形成し、厚い所で2メートルを越している。本遺跡は包含層の花粉分析等により当時の景観も復原されており、後期までは低地は湖水面であり、晩期に湿地化したことが指摘されているが、出土品中にも、後期までは土錘などの漁撈具が多く使用され、当時の生業と景観とが合致していることも判明している。
出土品には、各時期の土器、石器のほか、土偶や岩版、動物の骨等があり、少量ではあるが弥生式土器片も採集されている。
梁瀬浦遺跡は、東北地方における内陸の湖水沿岸に営まれた集落の一典型を示すものとして繩文時代を考究する上で重要な遺跡である。
国指定文化財(重要文化財)旧佐藤家住宅(宮城県角田市高倉)宮城県角田市高倉字寺前50番地高蔵寺境内
旧仙台藩領内にある中型農家で一八世紀中頃から後半頃の建設と推定される。建物は幅一六メートル、奥行一〇メートルの直屋で屋根は寄棟造、茅葺である。
間取りはいわゆる「三間取り広間型」で、これは当時の農家の基本的な間取りの一つである。 全体の約四割を占める土間には丸味のある太い柱が対になって六本立ち、古式で明快な梁組がみられる。
なお、この家は佐藤家の新築計画にともない、地元角田市が同氏より寄贈を受けた。 市内の適当な場所に移建し保護活用される予定である。