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福岡県・小郡市
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))福岡県西新町遺跡出土品福岡県小郡市三沢5208-3
西新町遺跡は、博多湾に面した砂丘上に広がる集落遺跡である。遺跡の最盛期である古墳時代前期を中心とした一括で、とくに朝鮮半島に由来をもつ土器やガラス小玉および鋳型、貨泉などの朝鮮半島や中国大陸との交流を示す資料が注目される。
朝鮮半島系土器は、両耳付平底壺・蓋、二重口縁壺、平底鉢、平底多孔式の甑など多種多様で、朝鮮半島南西部、現在の全羅道地域由来の土器が多数を占める。なかでも平底鉢と甑は、竈調理に用いられるうつわの組み合わせであり、渡来人の居住や彼の地の炊飯形態の受容を明らかにする。土器が示す交流は日本列島各地にもおよぶ。畿内や山陰、瀬戸内地域、九州内の各地域からの土器や、これらを現地で模倣し作った土器は、技術の伝播だけではなく、人の往来や居住を考える上で示唆に富む。玉類の生産、飯蛸壺や石錘などの漁労具も豊富で、当地が対外交易ならびに列島内交易の一大拠点であったことをうかがわせるとともに、交易を支え、当地に暮らした人々の生業を鮮明に伝える。
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))福岡県大宰府跡出土品福岡県小郡市三沢5208-3
大宰府は、律令国家において西海道諸国島に対する内政総監の府として設置され、九州地方の海辺防備及び外交・交易の拠点としても機能した古代官衙である。本一括は、その主要な出土品1,770点で構成される。
その内容は、政庁跡や観世音寺跡、大野城跡、水城跡などの建物に葺かれていた鬼瓦や軒瓦、学校院出土の美麗な文様塼、「政所」「水城」「大城」「大寺」などと記された墨書土器、円面硯などの陶硯、生産用具、越州窯産などの輸入陶磁器、地鎮具、武器類、金銅仏・塑像片など多種多様である。特に官人が身に帯びた石帯は数多く、なかでも白玉(大理石)製の鉈尾は注目される。
本一括は、大宰府を構成する政庁や、寺院、防衛施設等の具体像や性格、機能を示すとともに、官人の実務や生活などを復元しうる資料であり、古代最大の地方官衙としての活動を具体的に表し、律令国家における地方経営の枢要な一端を示す一括として価値が高い。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))料亭さとう別荘門福岡県小郡市小郡字下町1281-1
市中央部を東西に貫き、英彦山に通じる街道に面して建つ。切妻造桟瓦葺の表門。本柱にせいの高い冠木を載せ腕木に繰型を付け桁を受ける。本柱、冠木ともに木太く、棟高も高い。豪壮な屋敷構えに相応しい雄渾なるつくりで、歴史的な街道の景観に寄与している。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))料亭さとう別荘広間棟福岡県小郡市小郡字下町1281-1
玄関棟の東奥に接続する。木造平屋建、入母屋造で、八畳と一五畳を雁行形に配する。各室に銘木をあしらった床を構え、一五畳には付書院を設ける。庭側の柱を減らし、全体にガラス欄間障子を廻らすなど、庭との一体感を重視した上質なつくりの近代和風建築。