阿蘇山麓の農村に所在する在御家人の屋敷で、主屋正面に位置する表門。間口２・６メートルの薬医門、切妻造桟瓦葺、組物のない簡素なつくりだが正面側に板天井を張り、引戸を建てるのは珍しい。西袖壁には木戸を開く。在御家人の屋敷としての風格を現す。

阿蘇山麓の農村に所在する在御家人の旧宅。主屋は二階建、入母屋造平入桟瓦葺、敷地中央に南面する。平面は広い土間と四間取とし、東側に上質な座敷を角屋で張出し、元は式台を備えた。全体に天井が高く、座敷は貼付壁で飾る等のびやかで上質な大型民家。

主屋南側に建つ土蔵。二階建、切妻造妻入桟瓦葺で引戸を建てる。基礎は布状に切石を廻し、元は北面壁のように腰を下見板張、上部は漆喰で塗込めて柱梁形を作る。内部は中央に八寸八分角独立柱を立てて、高い位置に梁を架ける。旧家の家格を示す重要な遺構。

阿蘇山麓の農村集落に所在する在御家人の旧宅。入母屋造平入桟瓦葺、二階建で周囲に下屋を廻して南正面に式台を構える。平面は西側を土間、東側を六間取とし、式台脇に客間を張出す複雑な平面をもつ。座敷廻りの欄間や襖絵が内部を華やかに飾る。