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熊本県・上益城郡山都町
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))通潤酒造店舗及び主屋熊本県上益城郡山都町浜町字新町54-1他
日向往還浜町宿に位置し通りに面する町家。寄棟造の店舗背後に棟を直交させて主屋を接続し正面に妻を見せる。下屋中央を切上げ戸口とし、二階は虫籠窓を開ける。内部は中央に通路を通し、東は店舗等、西は事務所奥に主屋居室を設ける。宿場最大規模の町家。
国指定文化財(重要文化的景観)通潤用水と白糸台地の棚田景観上益城郡山都町
山都町は、九州のほぼ中央部に位置し、世界最大級のカルデラ地形を呈する阿蘇南外輪山のほぼ全域を占める。町域の南側は天然性の広葉樹林が発達した九州山地が広がり、緑川が東西に貫流している。緑川以北の地質は阿蘇火砕流堆積物で、外輪山山頂を水源とする小河川の浸食が開析谷と火砕流台地を形成している。山都町中心部の浜町の南方に位置する白糸台地もこの一つであり、四方を河川が囲繞しているため、古くから河川を利用した流通・往来の中心地として栄えてきた。その一方で峡谷が深く農業用水に困窮する地形条件から、近世後期において通潤橋を伴う大規模な基盤整備事業を実施することとなった。通潤用水の建設と棚田の築造は、近世後期に実施された地域主導の開発事業の中で、技術的難易度、規模などの観点から我が国における最大級のものである。
「通潤用水と白糸台地の棚田景観」は、通潤用水とこれに伴って築造された棚田が、地域の農耕活動によって現在に至るまで維持されてきた重要な文化的景観である。
国指定文化財(国宝)通潤橋熊本県上益城郡山都町城原・長原、畑
蘇南外輪山南側の丘陵に広がる通潤用水の一部をなし、嘉永7年(1854)に建設された石造水路橋。四方を谷で隔てられ、水源に乏しい白糸台地を潤すため、近世最大級の石造アーチを渓谷に架け渡し、鞘石垣、裏築等の技術を駆使して耐震性を高めた精緻な高石垣と、耐久性に優れた石管からなるサイホンを一体化した、技術的完成度の極めて高い、近世石橋の傑作。この比類ない技術は、地域社会が社会資本整備を牽引する役割を担った江戸後期及び末期において、企画立案から完成に至るまで卓越した事業遂行能力を発揮した熊本藩領の手永役人と当時最高水準の技術力を誇った石工集団が、実験や藩との協議を繰り返す中で創出したものである。通潤橋はこれら営みの優れた所産であり、近世水利土木施設の到達形態の一つを示すと共に、江戸末期に九州で興隆した石橋文化を象徴する土木構造物として、深い文化史的意義が認められる。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))大川阿蘇神社農村舞台熊本県上益城郡山都町大平字宮ノ本120
西面する境内地の西部に東面して南北棟で建つ。桁行7間,梁間3間半の規模で,切妻造,鉄板葺,木造平屋建で,東側を舞台とし西側に楽屋を設け,中央に上段を設け,舞台北東隅に浄瑠璃棚を付属する。正面間口全体を開き,上部全幅に梁を渡す特異な構造をもつ。