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宮崎県

国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))宮崎県百足塚古墳出土埴輪宮崎県児湯郡新富町大字上富田
6345番地5

宮崎県百足塚古墳出土埴輪

 九州地域では他に比肩しうるものがない、種類豊富かつ残りのよい形象埴輪の一括資料である。
 百足塚古墳は、史跡新田原古墳群の中の一基で、墳丘全長約82m、盾形の周溝と周堤を有する前方後円墳である。築造は、6世紀中頃、古墳時代後期の中頃と推定されている。
 特に注目すべきは、両肩から脇にかけて帯を襷掛けし、右手で上衣の裾をたくし上げ、自らの性器を露わにする唯一無二の女性全身像である。儀礼の場で踊る所作を表しているとみれば、記紀神話に登場するアメノウズメを想起させ興味深い。鍔付き帽を被り、甲と籠手を身に着けた下げ美豆良の男性埴輪も貴重である。両手を地に着けて跪く所作をしており、誰かに何かを言上しているのであろうか。また、全国で四例のみの確認に留まる太鼓形埴輪も珍しく、曲線状の線刻文様や赤彩が施され、皮を留めた鋲も表現されている。ほかにも、止まり木が表現された鶏形埴輪、首輪をつけた犬形埴輪、居館や倉庫を表現した家形埴輪などバラエティに富む。形象埴輪の多くは、特定を組み合わせて置くことによって、古墳の被葬者が生前に行った儀式や儀礼の場面を再現しているとみられている。百足塚古墳の埴輪たちも、その登場人物や舞台装置のひとつと考えられよう。
 なお、本埴輪の種類や組み合わせは、継体天皇陵と推定される大阪府今城塚古墳の埴輪群とよく似る。地理的に遠く離れた九州南部地域にも、大和王権の影響力が及んでいたことがみてとれる。

国指定文化財(重要文化財)鞍埼灯台宮崎県日南市南郷町中村字倉崎

鞍埼灯台

航行の難所日向灘に位置する大島の南端、海抜約84mの断崖上に建つ洋式灯台。明治期に横浜・香港間航路の安全確保のため設置された主要航路標識。明治17年8月15日に竣工、初点灯した。設計は工部少技長の藤倉見達。灯台は高さ14.1mで、灯塔下部を囲むように付属舎が取り付き、全体を白色塗装とする。灯塔は無筋コンクリート造で、平面は正12角形。灯籠は上段四角形、下二段を三角形の格子とした金属製骨子にガラスをはめる。日向灘南方を行き交う船舶の安全を明治前期から守り続けてきた九州南部に現存する最古の洋式灯台として近代海上交通史上、価値が高い。日本人技術者が主導して建設した我が国最初期のコンクリート造構造物としても重要である。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))旧黒木家住宅店舗兼主屋宮崎県児湯郡高鍋町大字高鍋町598-4

旧黒木家住宅店舗兼主屋

高鍋城下の旧街道に東面して建つ、肥料製造販売業等を営んだ旧店舗兼主屋。桁行八間半の木造二階建寄棟造平入桟瓦葺で正背面に下屋を付ける。外壁は下見板張で、二階は縦長の上下窓を密に配した洋風の外観。町内最大級の間口の町家で当地の繁栄を今に伝える。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))旧吉田家住宅主屋宮崎県児湯郡高鍋町大字北高鍋字小丸824

旧吉田家住宅主屋

高鍋城下旧武家地の小丸地区にある。平屋建で東面して建ち、土間と八畳二室を横一列に並べ、奥の八畳を床の間付の接客空間とする。後方に居室二室を突出させ、L字形に屋根をかける。高鍋藩に仕えた中級武家の住宅で、旧城下の歴史的景観を伝える希少な遺構。