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鹿児島県・熊毛郡中種子町
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)立切遺跡・横峯遺跡鹿児島県熊毛郡中種子町・南種子町
立切遺跡と横峯遺跡は種子島中・南部に位置し、3万5千年前の種Ⅳ火山灰層の下位から、後期旧石器時代前半期に位置付けられる落とし穴遺構や礫群が検出された。日本列島南部に位置し、照葉樹林環境に適応した居住や生業を具体的に示す遺跡として重要である。
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)種子島国上湊川・阿嶽川のマングローブ林鹿児島県熊毛郡中種子町・西之表市
マングローブ林は熱帯から亜熱帯の感潮域(かんちょういき)に分布する森林で,特異な形態と生活様式をもった植物群落である。マングローブ林は熱帯・亜熱帯の暖かい地域に分布し,日本では鹿児島県と沖縄県の一部の汽水域(きすいいき)に分布する。北限は暖かいメキシコ湾流が近くを流れる北大西洋のバミューダ諸島で,アジア地域における自然分布の北限は種子島といわれている。マングローブ林を構成する樹木は世界で100種程度あるが,特異な形態の根系,胎生種子などの特徴をもつマングローブ樹種は40種程度,日本では5種だけである。北限域となる種子島では低温耐性の強いメヒルギのみが生育する。
種子島でメヒルギが生育している河川は島の東側に位置する6河川である。マングローブ林の高さは河川の中央部に近い部分では低く1~1.5m程度,辺縁部は4m前後である。地形的に低く周辺から強風があたる地域では,メヒルギの伸長生長が悪く,1個体の占める面積を広げる独特の樹形を呈している。その中で,阿嶽川のマングローブ林は生育面積も比較的広く,良好な生育環境が残されている。北限域で,独特の樹形を呈するマングローブ林が良好に残されている地域として価値が高く,天然記念物に指定するものである。