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沖縄県・島尻郡伊平屋村
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)伊平屋島のウバメガシ群落沖縄県島尻郡伊平屋村
![伊平屋島のウバメガシ群落](https://bunka.nii.ac.jp/heritage/43967/_505721/43967_505721802269504548868_300.jpg)
ウバメガシは海岸林の代表的な構成種である。沖縄県伊平屋島虎頭岩(とらずいわ)の群落は,日本の分布南限地帯に成立する良好な自生地であり,亜熱帯性植物を含み植物社会学的に特徴的である。琉球弧経由で大陸から移入した残存集団であり,生物地理学的,遺伝学的に価値が高い。
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)伊平屋島の念頭平松沖縄県島尻郡伊平屋村
![伊平屋島の念頭平松](https://bunka.nii.ac.jp/heritage/43967/_209550/43967_209550904066031058161_300.jpg)
リュウキュウマツはトカラ列島の悪石島(あくせきじま)から先島諸島(さきしましょとう)の西表島(いりおもてじま)までに分布する固有種である。念頭平松は幹周4.5m,樹高約8mと幹の太さや高さはそれほど大きくはないが,枝張り東西約28m,南北約24mという巨大な枝振りの優美な樹形のリュウキュウマツで,天然記念物「久米の五枝(ごえ)のマツ」とともにリュウキュウマツの二大名木として著名である。マツ類では珍しく半円形の傘のような自然樹形を形成している。伊平屋島には松枯れ病を発症させる線虫を媒介するマツノマダラカミキリが確認されていないため,地元ではマツの苗木や材の持ち込み等を禁止して保護を図っている。
念頭平松の枝振りの美しさについては,伊平屋村に伝わる古歌である大田名節(うふたなぶし)の一節などに歌われ,昭和12年に沖縄縣山林會により作成された「老樹名木誌(ろうじゅめいぼくし)」に「枝ノ形状饅頭形ニシテ庭園ノ盆栽仕立ノ如シ」と形容されるなど,古くから樹形の優美な樹木として地元住民に認識されていた。地域の人々に親しまれ保護されてきたリュウキュウマツの名木として貴重である。