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沖縄県・八重山与那国町

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))鈴木酒造店上座敷秋田県大仙市長野字二日町9

鈴木酒造店上座敷

事務所兼主屋の北東に接続し、東西棟で建つ。一二畳の広い一室の座敷の東・南方に、深い庇を架けて板縁と土縁を廻す。北に床、棚、書院を設ける。垂木は疎らにし、軒を軽やかに見せる。イチイや黒檀などの銘木を用いて趣向を凝らした接客空間である。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)ティンダバナ沖縄県八重山郡与那国町

ティンダバナ

我が国最西端の与那国(よなぐに)島(じま)のほぼ中央に位置するティンダバナは,断層(だんそう)崖(がい)が交叉して形成された突端部の地名で,与那国島に固有の伝承・儀礼に彩られた岩石・洞穴などから成る風致景観である。頂部の標高は85m,垂直に切り立った琉球石灰岩層の厚さは約20mにも及ぶ。下層の緻密な八重山(やえやま)層群と上層の多孔質の琉球石灰岩との間から湧き出る豊かな地下水が,八重山層群を浸食して随所に凹地形(ノッチ)を形成し,その天井部には八重山層群が脱水(だっすい)固結(こけつ)して形成された直径1m以上もの巨大な岩塊も見られる。
ティンダバナには,15世紀末期に与那国島を統治したとされる女傑サンアイ・イソバの居住地であったとの伝承があるほか,イヌガンと呼ぶ凹地形には,久米島から那覇の首里王府へと向かった貢納船が無人島であった与那国島に漂着し,乗船者のうち生き残った1人の女性と同乗の1匹の雄犬が棲んでいたとの犬(けん)祖(そ)伝説(でんせつ)も伝わる。
古来,清浄で豊富な湧水を生む岩壁とその周辺は島民の重要な儀礼の場となってきた。その独特の風致景観は与那国島の精神文化を語る上で重要な意義を持ち,観賞上の価値及び学術上の価値が高い。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)久部良バリ及び久部良フリシ沖縄県八重山郡与那国町

久部良バリ及び久部良フリシ

 我が国の最西端に位置する与那国島の北西岸には,久部良フリシと呼ばれる独特の海浜景観が展開し,そのほぼ中央に久部良バリと呼ぶ深い断層崖の亀裂が存在する。
 久部良フリシは,主として砂岩から成る八重山(やえやま)層群の上面を堅い琉球石灰岩から成る琉球層群が覆う構造をもつ。海波の浸食により凹部が形成された緑色及び紫褐色の砂岩の急崖から成る風致景観は,独特かつ傑出している。その中央の久部良バリは全長約15m,幅約3.5m,深さ約7mの規模を持ち,琉球王府(中山)による人頭税(にんとうぜい)の負担にあえいだ島びとたちが,妊婦に崖を飛ばせて胎児とともに死に至らしめたとの伝承を生み,その背景を含め近世後期の与那国島における社会を考える上で深い意義を持つ。
 また,海岸は,旧暦の4月に稲穂の害虫を駆除するために,虫の霊を海の彼方の理想郷・アンドゥヌチマへと送るフームヌン(穂物忌み)の儀礼の場となっており,その独特の風致景観と相俟って,与那国島の精神文化を語る上で重要な意義を持つ。
 このように,久部良バリ及び久部良フリシの海浜地形は,与那国島に固有の伝承・儀礼に彩られた独特の風致景観を形成している。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))東迎家住宅石垣沖縄県八重山郡与那国町字与那国151-1

東迎家住宅石垣

東側の道路から屋敷地南辺を通り主屋へ通じる通路と前庭を画する石垣。東西延長9.5m、高さ約1.5m、幅0.7mの規模を有する。主屋建設時の基礎掘削で生じた石を利用して建設された。沖縄の伝統的な敷地景観を構成する遺構である。