主屋北に位置する醸造工場。二階建切妻造Ｌ字棟の主体部の東北側に平屋建の増築部が取付く。主体部はコンクリートブロック造で西を諸味室、東を温醸室とし二階は二室の倉庫。小屋組は挟み梁の変形トラス。増築を重ねた複雑な外観が醸造業の興隆を伝える。

主屋北に位置する醸造工場。平屋建切妻造妻入鉄板葺で、棟に煙出を二箇所設ける。内部は西に醤油詰場と麹室、東にボイラー室、中央は広大な作業場で上部にキングポスト・トラスを主とした変則的な小屋組を現す。長大な棟が醸造業で栄えた地域の景観をつくる。

主屋の北東に建つ家財蔵。切妻造妻入桟瓦葺の二階建南北棟で、南面に下屋を付して戸前とし、主屋と接続する。外壁は漆喰仕上鉢巻付で、戸口と二階窓に掛子塗の両開戸を吊る。内部は各階とも一室の板敷で南西に階段を設ける。敷地北東の景観をつくる土蔵。

石脇通りに南面し、主屋の西に位置する店舗。平屋建寄棟造妻入鉄板葺で正面に小庇を付す。内部は西に受付、事務室、応接室を並べ、東を全面竿縁天井張の通り土間として、主屋と工場棟への主動線とする。通りに面して主屋と共に地域の歴史的景観をつくる店舗。