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福島県・白河市
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))藤田家住宅土蔵福島県白河市二番町46-1
座敷蔵の西に位置する家財蔵。切石積基礎に建つ二階建切妻造銅板葺で、外壁は漆喰塗仕上、軒に鉢巻を廻らす。東妻を戸口とし、各階板敷の一室で北西に階段を配す。小屋組は中古で、登梁を水平の繋梁で挟む。西妻に庇付窓を上下に開け、敷地北西景観をつくる。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))藤田家住宅座敷蔵福島県白河市二番町46-1
店舗兼主屋の北西に建つ座敷蔵。二階建切妻造銅板葺で外壁漆喰塗仕上。軒に鉢巻を廻らす。1階は2室を配し西室南に蔵前が付く。東室は床と床脇を構え東辺に縁を付す。床廻りは黒檀や紫檀など用材吟味し、湾曲状の削出材でつなぐ違棚など良質な近代和風建築。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))藤田家住宅店舗兼主屋福島県白河市二番町46-1
小峰旧城下の角地に建つ味噌醤油醸造業の店舗兼主屋。奥州街道に東面する2階建切妻造平入桟瓦葺の店舗の西に平屋建銅板葺の主屋を接続。店舗一階は広い土間、二階は三室を矩折れに並べ、南西が床構え付き座敷。ガラス戸の開放的な外観が街道景観を形成。
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))福島県天王山遺跡出土品福島県白河市中田7-1
天王山遺跡は、阿武隈川左岸の丘陵上に所在する弥生時代後期前半(1世紀頃)の集落遺跡である。昭和25年に初めて発掘調査が行われ、出土した多数の土器は東北地方から北陸地方にかけて分布する「天王山式土器」の標式資料として、広く学界に認知されている。
土器には、壺、甕、高坏、鉢などがあり、壺には注口や片口の付くものが含まれる。壺や甕は、筒形の頸部に波状や突起の付く口縁部をもつ例が目立ち、地文は縄文で、縦走・横走する例が多い。文様は刺突文を交互上下に入れて波状沈線様とする交互刺突文が特徴的で、他に連弧文や変形工字文などがあり、磨消縄文の手法も多くに用いられている。これらの内、波状や突起の付く口縁部、変形工字文や磨消縄文などは、縄文時代晩期の土器の特徴と似ており、そのために「天王山式土器」の年代について論争となったことは、学史的に著名である。現在、縦走・横走する地文の縄文は、北海道に分布する恵山式土器に影響を受けたものとされ、縄文時代的な要素は続縄文文化に系譜をもつと理解されている。
石器・石製品には、アメリカ式石鏃と呼ばれる、逆T字形をした特徴的な石鏃が含まれており、一遺跡から出土した数量としては最多を誇る。この石鏃の分布も「天王山式土器」と時期、地域が重なっており、天王山遺跡の出土品は、東北地方における弥生時代後期前半を代表する遺例と言えよう。