「大阪風景」より 道頓堀
概要
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大阪風景 道頓堀
From ""Views of Osaka, Dotonbori
1917(大正6)年
石版、紙 44×28.4㎝
lithography
『方寸』の同人たちによる自画・自刻・自摺りを主唱した創作版画運動は、織田にそれまでの単なる画工ではない美術家としての強い意識をうえつけた。また画風を形成するうえでは、当時耽美主義、浪涅主義の温床とされた「パンの会」に加わったことによる影響が大きいといえよう。それは、失われたものへの愛惜と憧憬というかたちで表れ、作品では、本格的に版画家として第一歩を記した〈東京風景〉(20点組、1916ー17年)に示されている。この連作では、近代化の名のもとに古いものが日ごとにすたれ、こわされていく東京にあって、明治の面影をとどめ、さらには江戸の残影すら感じさせる情景を求め、下町を中心に取材されている。次いで制作された、この作品が含まれる〈大阪風景〉(20点組、1917ー19年)でも、織田の視点は郷愁にみち、それは少年期をすごした大阪であればいっそう強いものであったと思われ、いずれもが石版画特有のやわらかく微細な絵肌とあいまって、効果的に表現されている。
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