鹽竈神社 随身門
しおがまじんじゃ ずいしんもん
概要
鹽竈神社は塩竈湾を東に望む高台に位置し,古代より陸奥国の一之宮として崇敬された古社である。現在の社殿は,宝永元年(1704)に完成したものである。南面する左宮と右宮,西面する別宮,さらに門及び廻廊,楼門,鳥居からなる。
左宮と右宮の本殿は,同寸同大,同形式の三 間 社 流 造である。入母屋造の拝殿は,寛文3年(1663)の拝殿を再用している。別宮は本殿が一棟であるが,他は基本的に左宮・右宮と同じで,拝殿は寛文3年の本殿を再用している。
鹽竃神社は,類例がほとんどない社殿構成で,整然とした配置計画も優れている。
本殿・幣殿・廻廊は,正統で装飾をおさえた意匠で,拝殿の古風な細部様式や門等の華やかな様式と絶妙な諧調を創り出すなど,創意と工夫が顕現された江戸中期の神社建築として,価値が高い。