煤孫の大乗神楽
すすまごのだいじょうかぐら
概要
東北地方一帯にはもと修験の人々によって演じられた山伏神楽が伝承されてきているが、この中でも北上市、和賀郡の周辺に伝えられている神楽を大乗神楽と称している。煤孫で演じられる神楽はこの中の一つであるが、山伏神楽の中でもとくに修験道的性格が色濃くのこっており、採り物も鈴の代りに錫杖を持つというような特色を伝えている。
一月一日と九月十五日には古館神社で演じられ、その後各民家をまわって演じるという古いしきたりを伝承し、一曲ごとの幕間に法螺貝を吹くという古風な祈祷性ものこしている。演目は、「七ツ釜」「庭静【にわしずめ】」「魔王【まおう】」「荒神【こうじん】」「権現【ごんげん】」などのほか、「鐘巻【かねまき】」「蕨折【わらびおり】」「岩戸開【いわとびらき】」など数多くのものを伝え、さらに「三番叟」や狂言舞ものこしている。
東北地方の修験系の神楽の一典型としての特色をよくのこしている点で貴重である。
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