八代の花笠踊
やしろのはながさおどり
概要
この芸能は、山口県熊毛郡熊毛町八代の二所神社の八朔風鎮祭のおり(七年目ごとの八月二十六日)に行なわれる風流の一種で、亡き人の追善供養のためにする踊ともいわれている。
踊の構成は道わけ(8)、調司・調庄(各2)、男踊子(12)、娘踊子(12)に音頭取ほかの囃子方などがつく。
まず道わけのいわゆる露払(みだれと呼ぶ一種の棒踊)のあと、調司・調庄にみちびかれた踊子が入場し、男が内輪、娘が外輪の二重の輪をつくって踊る。曲目には「花の踊」「六調子踊」「四季の踊」「牛若踊」など九曲がある。
踊子のうち調司・調庄は未婚の長男に限られ、また他の踊子もそれぞれ未婚の男女という制約があるなど、古風な民俗の残っている点など、芸能史的にも貴重なものである。また、盆の季節の念仏踊の要素も色濃く、風流として地方的に特色のあるものである。
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