真福寺貝塚
しんぷくじかいづか
概要
埼玉県東部の岩槻丘陵上に所在する繩文時代後期から晩期に営まれた集落跡である。遺跡は径約150メートルの環状貝塚を中心とし、台地西側に入りこんだ綾瀬川の小支谷の沖積低湿地にまでひろがる。大正末年以来の数次の発掘によって、住居跡をはじめ多数の遺物が発見されている。とくに土偶、土版、土製耳飾、勾玉、石剣などいわゆる珍品が多数あり、ほぼ完形な「みみずく土偶」は重要文化財に指定されている。また低湿地の泥炭層中から出土したクリ、クルミ、ウリなど種子は、貝層中の動物遺体とともに貴重な資料となっている。