旧出津救助院 授産場
しつきゅうじょいん じゅさんじょう
概要
旧出津救助院は,長崎市中心より北西に約20kmの外海町南部にある。フランス人宣教師マルク・マリ・ド・ロ神父が,村民の窮状を救うため,私財を投じて建設した施設で,明治16年から18年にかけて建設された。
授産場は木造及び石造の2階建,マカロニ工場は煉瓦造の平屋建,鰯網工場は木骨煉瓦造の平屋建で,これらが急斜面に分散して建つ。
明治初期の授産,福祉施設という,他に例をみない貴重な遺構であるとともに,洋風の技術,納まりを随所に見せる折衷的な構法になり,ド・ロ壁のように地域に固有な技法を用いるなどの特徴をもち,我が国近代における西欧建築技術受容の一端を知るうえで重要である。
敷地内には石塀,石垣,石段が残り,建物とともに一体で保存を図る。