旧松坂御城番長屋 東棟
まつさかごじょうばんながや とうとう
概要
旧松坂御城番長屋は,松坂城南東の三の丸に位置する。文久3年(1863),松坂城警護のため,新たに松坂御城番職が設けられ,城内三の丸に御城番武士20家の居宅として建てられた。
東と西の2棟からなり,小路を挟んで南北に相対して建つ。東棟は桁行90.9m,西棟は桁行83.6mで,ともに平屋建,桟瓦葺,背面に角屋を附属する。
各棟とも1戸あたり間口5間を基準として,東棟10戸,西棟9戸が残る。
旧松坂御城番長屋は,建築年代や由緒が明確で,近世武士の長屋建築として,全体規模,各戸の規模ともに最大級で,高い価値がある。他に類を見ない小路を挟んで2棟からなる構成も貴重である。
外周を槙の生垣で囲われた宅地も,建物と一体となってよく維持されている。