清白寺庫裏
せいはくじくり
概要
清白寺は甲府盆地東部にある臨済宗寺院で,正慶2年(1333)の創建と伝える。南から,総門,鐘楼門,仏殿,本堂が一線上に建ち,本堂東に庫裏がある。
天和2年(1682)の火災で,仏殿を残して堂塔が焼失した。現存する庫裏は,この火災後,元禄2~6年(1689~1693)の間に再建されたと考えられる。
南を正面とする切妻造,妻入,茅葺で,北面に下屋を設ける。平面は正面側に土間を設け,床上は棟通りで東西に二分し,西側が客室部,東側が居室部になる。
清白寺庫裏は,規模が大きく整然とした平面構成をもち,内部も瀟洒な座敷や豪放な架構を現した土間廻りなど見るべきところがあり,高い価値がある。
立面の意匠も優秀で,地方における江戸時代中期の禅宗寺院庫裏として,貴重な遺構といえる。