鳩之杖
はとのつえ
概要
4代鍋島吉茂(1664-1730)が菩提寺の高伝寺に寄附し、大正14年に返納されたものの一つで、先端に鳩形をつけた木製の杖。鳩は食するとき咽せない鳥であるとして、これにあやかるため、老人用の杖の握りの部分に鳩の形をつけたとされる。「葉隠」には「元禄4年5月23日、二代光茂公の六十の賀に嫡男綱茂より銀製の杖を差し上げた。その時着座まで御料理拝領、御杖の拝見があった。」との記述がある。本品は木製であるので、この記述の品とは合致しないが、67歳と長寿であった吉茂公のお祝いに贈られたものか。