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臼杵磨崖仏

うすきまがいぶつ

概要

臼杵磨崖仏

うすきまがいぶつ

彫刻 / 平安 / 鎌倉 / 九州 / 大分県

大分県

平安~鎌倉

大分県臼杵市大字深田字古園1936-3、中尾字山王山219-2、中尾字ホキ140-2、中尾字ホキ139-2

重文指定年月日:19620621
国宝指定年月日:19950615
登録年月日:

臼杵市

国宝・重要文化財(美術品)

臼杵石仏は、豊後地方に集中して存在する平安時代の磨崖仏のなかで最大の規模を誇り、かつ出来ばえが最も優れた石仏群として広く知られている。これらは丘陵斜面の熔結凝灰岩の露出した部分を開鑿して造られたもので、大略四群(古園、山王山、ホキ第一群、同第二群)に分かれており、いずれも比較的浅めの龕を穿って高肉彫の手法で計五九躯の仏体を刻み出している。その造営に関する史料は知られていないが、作風からみて、平安後期にその規模の大半をそなえ、鎌倉時代に一部追加されたと思われる。
 古園石仏は丈六の金剛界大日如来像を中心に仏・菩薩・天部を左右六体ずつ並べる構成になり、その張りのある堂々とした造形や、中尊および菩薩の一体の頭部を完全に岩から離して丸彫りとし、各像とも岩層の足りない下半身の一部を別材から造り足す技法を用いるなど、石仏群中で最も注目すべき存在である。山王山石仏は丈六の如来坐像の左右に脇侍如来像を配する三尊で、やや素朴な作風は平安後期のこの地方における石仏造像の水準を示している。ホキ石仏第一群の第一・二龕はともに五尺を超える如来坐像三体を並置し、前者ではその左右に脇侍菩薩立像各一体が添えられている。同第二群第一龕は丈六の定印阿弥陀坐像に両脇侍立像を配する三尊像である。これらは温雅な藤原様式を示し、当代木彫像の優品に較べて遜色のない作行を見せている。
 本石仏群は昭和三十七年に重要文化財に指定された当時、すでに経年による損傷が甚しく、頭部や仏体の一部を割落するものも少なくなかった。昭和五十五年度から平成五年度にかけて行われた美術工芸品としての保存修理によりそれらは小断片に至るまで母岩に接合復元することができ、四群それぞれ面目を一新した。その結果、龕の前面に仮に置かれていた頭部が復位された古園石仏の大日如来像をはじめ、これらの彫刻作品としての偉容の全貌がここに明らかになり、今回、国宝指定の運びとなったものである。

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キーワード

磨崖仏 / / 坐像 /

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