顔面付釣手形土器/長野県伊那市富県御殿場遺跡出土
がんめんつきつりてがたどき/ながのけんいなし
概要
御殿場遺跡は天竜川の中流域の左岸に位置している。
本遺品は重量感のある釣手形土器で、釣手部の付く上半部と円筒状の下半部に分かれる。上半部は三方に開口部を設け、そのうち正面は他の二面より大きくあけられている。正面周縁は一・五~二・〇センチ幅で連続的に欠損するが、全体はほぼ完全に遺存している。正面開口部に沿って縁取りするように二条の沈線を描き、沈線の外周には円孔が左右五孔ずつ、合計一〇孔が等間隔で巡っている。