銀胡人像
ぎんこじんぞう
概要
鋳銀製。正面を向き両手を下げた小形の立像である。広い額、猫背の様子など、小像でありかつ表現が内端でありながらよく特徴をとらえている。胡人の像と解され、背面の鏤刻銘には未解の文字があるが、銀の重量に関するものと推定されている。
〔銀杯〕
一、鋳銀製
現長径一二・二センチ
現短径(除耳)九・三センチ
現高三・九センチ
いわゆる耳杯である。現在器の周縁内外と内底に鍍金がよく遺っている。外底面に文字が三字鏤刻されている。
二、鋳銀製
長径一一・〇二センチ 高三・二センチ
匏【ほう】状の銀杯で、長軸に沿って一方に指のかかりを作り出し、他方は縁をわずかに内側に入れ込ませている。外底面に文字三字が鏤刻されている。
三、鍛銀製
長径一二・八センチ 高二・二センチ
二と同様匏状の銀杯であるが、一方の指のかかりが柄状に大きく、他方の入り込みの両傍に游環が付されている。底面に三字 側面に十七字が鏤刻されている。
これらは洛陽金村【らくようきんそん】のいわゆる「韓君墓」から出土したと伝えるもので、胡人像は小像ながら精彩がある。なおその刻銘と銀杯の刻銘とは共通の内容を示すものと推定され、共存したことが推察される。