友よさらば
ともよさらば
概要
鹿児島県に生れ、1921年に画家を志して上京した海老原喜之助は、有島生馬に勧められフランスで学ぶことを決意し、2年後パリに渡った。パリでは藤田嗣治の薫陶を受け、サロン・ドートンヌへの入選を果たし、ニューヨークで個展が開催されるなど海外でも注目される。1933年に帰国し、独立美術協会に迎えられる。戦後、郷里に戻りデッサンに没頭する5年の月日を経て、ふたたび油彩画の制作を再開。1951年に制作された《友よさらば》が、第19回独立展に出品される。この作品の題名にある「友」は、画面の中央に横たわる死んだ愛馬のことで、家族とともに愛馬の死を悲しみながら、自ら土に穴を掘り、葬る場面を描いている。馬は初期から晩年まで生涯にわたって繰り返し描かれており、心情的にも造形的にも画家にとって特別なモティーフであった。
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神奈川県立近代美術館