刀〈朱銘義弘(名物松井郷)/本阿(花押)〉
かたな〈しゅめいよしひろ(めいぶつまついごう)/ほんあ(かおう)〉
概要
刀〈朱銘義弘(名物松井郷)/本阿(花押)〉
かたな〈しゅめいよしひろ(めいぶつまついごう)/ほんあ(かおう)〉
静岡県
南北朝
鎬造、庵棟、重ね薄く、反り浅く、中鋒。鍛は小板目肌最もよく約み、地沸厚く地景入り、明るく冴える。刃文は広直刃文調に浅く湾れ交じり、匂口冴えて小沸よくつき、足・葉頻りに入る。帽子は表裏とも一枚となり、先小丸やや長く返る。茎は大磨上、先剣形、新鑢目切、目釘孔一。指裏に「義弘」、表に「本阿(花押)」と朱銘がある。
長69.4 反1.8 (㎝)
1口
静岡県三島市中田町1-43
重文指定年月日:19540320
国宝指定年月日:
登録年月日:
公益財団法人佐野美術館
国宝・重要文化財(美術品)
相州正宗十哲の一人郷義弘の作と伝えている。義弘の銘の確実な物は皆無であり、他に徴すべきものがないが、細かに約んだ綺麗な地肌と沸匂の深く明るく冴えた刃文に義弘の特色が見られる。
『享保名物帳』に記載される「松井江」が本刀にあたり、松井佐渡守が所持していたためにこの異名がある。古茎が僅かに残っているので朱銘を施したという。朱銘は本阿弥光常である。