饕餮文方彝
とうてつもんほうい
概要
祭祀に用いる彝器(いき)として製作された古代青銅器のなかには、その器種を何とよんでいたのか今ひとつ明らかでないものもある。彝もそのひとつで、箱形の器に屋根形の蓋をのせた盛酒器である。方形で胴張りのある身や蓋の角には鰭(うろこ)状の飾りがつけられて装飾的な姿をしている。身と蓋それぞれの側面に大きく饕餮をあらわし、それに従う鳳凰や夔龍文(きりゅうもん)を脚部に配する。状態がよく、小振りながら精妙な鋳造によって文様の細部まで明瞭にあらわされている。
所蔵館のウェブサイトで見る
公益財団法人 根津美術館