エロシェンコ像〈中村 彜筆 一九二〇年/油絵 麻布〉
えろしぇんこぞう
概要
中村彝(一八八七~一九二六)は、短い生涯の全情熱を絵画に傾け、次々と秀作を発表し、近代洋画界に大きな足跡を遺した。彼は初め白馬会研究所や太平洋画研究所で勉学し、明治四十二年の文展で褒状を受け、翌年には三等賞を得るなど早くからその才能を評価された。本図はわが国に滞在していたロシアの盲目の詩人ワシリー・エロシェンコを描いたもので、大正九年の第二回の帝展に出品され、二年後にパリの日仏美術交換展にも出品され好評を博した。