長崎方控
ながさきかたひかえ
概要
江戸時代後期、佐賀藩武雄領が長崎で注文・購入・修理した物品などを記録したもの。全5冊のうち2巻から5巻までの4冊が残っている。その筆録された期間は、明らかなところでは天保9(1838)年から文久2(1862)年までの、実に25年間以上に及ぶ。
武雄が所望する物品の注文は、武雄と長崎を行き来する家臣を通じて長崎の通詞や職人に依頼され、同様に彼らによって武雄にもたらされた。
現在、武雄には約1万点余に及ぶ蘭学資料が伝えられ、「武雄鍋島家資料」として武雄市図書館・歴史資料館に収蔵されている。『長崎方控』の記述と今に伝えられた資料とを照らし合わせることで、武雄の蘭学導入の克明な情報を知ることができる。
『長崎方控』は、日本の江戸後期から近代にかけての科学技術史研究において、不透明であった多くの部分に解明の手掛かりを与えるものであるといえる。
所蔵館のウェブサイトで見る
武雄市図書館・歴史資料館