雪祭
ゆきまつり
概要
これは伊豆神社の祭りで、古くは御神事、田楽祭などとも呼ばれた。雪祭の名は、大正年間折口信夫がこの地を訪れて以来のことで、この祭が、雪を豊年の予兆とみて必ず神前に供えなければならないという民俗をもっているところからきたものという。
芸能は内輪衆、上手(わで)衆、平(ひら)、後立(ごたつ)、市子(いちこ)などの演技者組織をもって行なわれ、十四日午後伊豆神社で、まず神楽殿の儀、がらん様の祭、本殿の儀がそれぞれ「びんざさら舞」「ろん舞」「万歳楽」などの舞をもって奉仕される。ついで庭上に大松明を立てて、それに御船渡しを行ない、その下で庭能(さいほう、もどき、翁、まつかげ、田遊びなど)が夜を徹して演じられる。これは芸能史の研究に重要な資料と暗示を提供し、斯学の発展に一大飛躍をもたらしたものである。