竹村家住宅(高知県高岡郡佐川町) 主屋
たけむらけじゅうたく しゅおく
概要
竹村家は、佐川屈指の商家で、江戸後期に苗字帯刀と酒造を許されて酒造業を手がけるとともに、幕府からの巡見使には宿所を提供していた。主屋は、東側の店舗部と西側の座敷部からなり、店舗部は安永9年(1780)頃、座敷部は天保9年(1838)の建築とみられる。店舗部は、広い吹き抜けの土間と、オモテ、チョウバなどの部屋をもつ町家形式で、座敷部は、座敷のほか茶室なども備えた接客空間をもち、当地に特徴的な意匠の座敷飾りや貼付壁を採用している。
竹村家住宅は、幕府巡見使の宿所とされ、武家住宅に準ずる上質な座敷を備えるなど、土佐地方における有力商家の住宅として重要である。