竹富島の種子取
たけとみじまのたんどる
概要
沖繩では稲や粟の播種の行事を種子取りという。この種の行事はかつて各地にあったが、現在その形をよく残しているのは、この竹富島のものである。坡座間【はざま】、仲筋の両部落で行われ、祭りの七日目と八日目の二日間は、世持御嶽【ゆうむちうたき】の前で各種の芸能が演じられる。また初日には世乞【ゆうくい】と称し、踊子が各戸を訪ね踊る巻踊がある。
さまざまの芸能があるが、鳥居の前で踊られるものには、「棒」「太鼓」「ジッチュ」「馬フシャー」「マミドウマ」「腕棒」などがあり、火の神の前の仮設舞台で演じられるものに、「長者」「みるく」といった面をつけて祝言をのべたりするもの、「鍛治屋」「種蒔」といった狂言、「さんぐるろう」などの踊、さらには雑踊や組踊までが演じられる。芸能的にも民俗的にも貴重な内容を含んでいる。