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黒紅地熨斗藤模様繍箔小袖

くろべにじのしふじもようぬいはくこそで

概要

黒紅地熨斗藤模様繍箔小袖

くろべにじのしふじもようぬいはくこそで

工芸品 / 江戸 / 関東 / 東京都

東京都

江戸

1領

東京国立博物館 東京都台東区上野公園13-9

重文指定年月日:19820605
国宝指定年月日:
登録年月日:

独立行政法人国立文化財機構

国宝・重要文化財(美術品)

表は紗綾形【さやがた】に花文散しの綸子、裏は紅平絹の袷仕立で、右袖脇の一部を白く残し、他はすべて黒紅で染め上げる。文様は肩から右袖、および腰から裾にかけて、刺繍と金摺箔を交互に配した熨斗文を置き、残りの黒紅地に刺繍による藤文様を配すとともに、緻密な霞文を金摺箔で表す。さらに、全体に刺繍による亀丸紋と鹿子絞りの丸紋を散らしている。刺繍・金摺箔・鹿子絞りによる精緻な文様で全面を埋め尽した、いわゆる地無【じなし】小袖の一つで、意匠構成や刺繍技法などに、江戸時代初期の特徴がよく表れている。なお、地色の黒紅は、紅で下染めしたうえに檳榔子【びんろうじ】(ヤシ科の常緑喬木からとった植物染料)の黒をかけた焦茶色で、江戸時代に入って流行した色である。

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