浄法寺の漆掻きと浄法寺塗の用具及び製品
じょうほうじのうるしかきとじょうほうじぬりのようぐおよびせいひん
概要
岩手県の旧浄法寺町・安代町は、南部漆の産地として知られてきた。この地域には、漆掻き、木地師、塗師が古くから住みついてきたと伝えられ、盛岡藩主南部重直(慶長11(1606)年~寛文4(1664)年)の黒印文書(宛所欠)にも「薄(箔)椀」の記載があり、この地域の漆掻きや漆塗りは少なくとも17世紀半ばまで遡ることができる。
浄法寺では、豊富なブナ材を椀木地とし、下地に柿渋を用い、地元産の良質な漆を塗って仕上げる伝統的技術が伝承されてきたが、現在その姿は影をひそめ、振興策が種々検討されている。
この収集は、主に浄法寺町内で用いられてきた漆掻関係・木地師関係・塗師関係の用具を職種ごとに分類しながら体系的にまとめたもので、椀・膳・盆類をはじめ酒器類・仏具等の製品も製作方法別にまとめている。また、職人生活用具、販売関係用具、信仰関係用具などもあり、浄法寺の漆掻きと浄法寺塗の全貌を網羅している。