南宮の神事芸能
なんぐうのしんじげいのう
概要
南宮神社の五月四日・五日の祭礼に演じられる芸能で、御田植神事、蛇山【じややま】神事、還幸舞(羯【かつ】鼓舞、脱下【ぬぎさげ】舞、竜子【りゆうし】舞)などがある。御田植神事は、鍬役、杁【えぶり】役の少年と、三歳から五歳までの早乙女【さおとめ】二十一名が、境内に設けられた御田代【みとしろ】に集まり、囃子と田植歌に合わせて田植の所作を演じる。蛇山神事は、市場野の祭礼場に大きな蛇山と称する櫓を組み、降神を受けた蛇頭を本社より運び出して蛇山の上に置き、これを囃子に合わせて操る。古風で素朴なからくりである。還幸舞は渡御還幸の途中、蛇山に連接した屋台の上で演じられる。羯鼓を胸につけた男児二人による羯鼓舞、男児二人による脱下舞(有難舞ともいう)、竜頭【たつがしら】をかぶり、鱗形の衣裳にたっつけを着けた男児四人による竜子舞の三種の舞がある。また、お旅所では舞楽の胡蝶の舞も演じられる。
祭に伴う奉納芸能として、きわめて古風な舞を伝承しており、芸能史的にみて重要な価値を有している。