蒐集家の肖像
しゅうしゅうかのしょうぞう
概要
蒐集家の肖像
しゅうしゅうかのしょうぞう
ティントレットはヴェネツィアに生まれ、最初は同じヴェネツィア派のティツィアーノを師としたが、ローマ滞在中(1545─46)にミケランジェロの創りだす人体(彫刻・デッサン)に強く惹かれ、大きな影響を受けている。ティツィアーノの豊麗な色彩と、量塊を天才的に把握するミケランジェロの素描力とを昇華させようとしたティントレットの芸術は、人工的な光線の設定と劇的な動勢表現として結実した。同時代の画家、特にスペインのエル・グレコに与えた影響は大きい。本作では金の時計やダヴィデ像などのモチーフが描き込まれ、モデルとなった人物の職業や趣味を表している。背景に描かれている建築は、サン・タンジェロ城。
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