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紅地火焔太鼓菊萩蜻蛉模様唐織

べにじかえんだいこきくはぎとんぼもようからおり

概要

紅地火焔太鼓菊萩蜻蛉模様唐織

べにじかえんだいこきくはぎとんぼもようからおり

染織 / 能楽 / 江戸 / 東京都

江戸中後期・18~19世紀

丈146.5 裄76.0

1領

渋谷区千駄ヶ谷4-18-1 国立能楽堂

収蔵品番号 NS64

未指定

 紅地に金糸で地を埋め尽くすほどに棒霞を表し、そこに様々な色緯で、火焔太鼓、菊・萩に蜻蛉を表した唐織である。
 力強い意匠が組み合わされている。火焔太鼓は雅楽に使用するもので、太鼓の中の三巴文は左巴と右巴とで表され、その周囲に瑞雲、そして火焔が配される。優しげに表現されることが多い菊や萩も、地面から力強く伸び上がっている。蜻蛉は後退しないことから、勝虫の異称をもって武家に好まれた。
 この唐織と同趣のものとして毛利家伝来で野田神社所蔵の「紅浅葱段金霞菊桐火焔太鼓模様唐織」がある。これは同じ機で織られたとみられ、菊・萩と火焔太鼓の構図はほぼ同じで、蜻蛉の位置に投桐が配されて菊桐となっている。
 本唐織が桐に代えて蜻蛉とし、段を廃して金糸の面積を増したのは、より力強い役での着用を意図してのことであろう。

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