名号塔「南無阿弥陀佛 本阿(花押)」
みょうごうとう
概要
県下稀にみる大きな塔であるが、誰が造立したのか不明である。名号の下に「本阿」、その下に立派な「花押」が書かれている。また、普通の石造文化財は土に埋めて建立されているが、この名号塔は礎石に穴を掘り下部を差込み、金属を溶かし流し込み固定されている。このような建立の仕方や、花押は珍しいものである。この名号塔が所在する「唐申堂」には古びた位牌があり、「廣蓮社剛誉上人本阿徳圓大□□」の戒名が書かれており、裏面には「天保一三寅年九月二日」と書かれている。この位牌に書かれている人物はこの唐申堂に居住していた道心であったと思われ、この本阿徳圓大□□が、この塔の建立に大いに関わりがあると思われるが、この人物に対する口碑や墓は不明である。また、塔に書かれている立派な花押や位牌から、かなりの人物であったと想像される。