聖衆来迎寺 表門
しょうじゅらいこうじ おもてもん
概要
聖衆来迎寺は比叡山の東麓に所在する天台宗寺院である。中央に本堂が南面し,本堂西に既指定の客殿,南西に開山堂を配し,東に表門を開く。いずれも質の高い近世建築で,近世前期に実現された建築群構成をよく保持しており,既指定の客殿とともに保存を図る。特に本堂は寛文5年(1665)の建立で,伝統的な構成を継承しながらも,凸字形の内陣を基軸とした空間が技巧を凝らした架構で達成され,彫刻や彩色などによって濃密な意匠にまとめられており,天台宗本堂における近世的変容の萌芽を示している点で価値が高い。