牛伏川本流水路(牛伏川階段工)
うしぶせがわほんりゅうすいろ(うしぶせがわかいだんこう)
概要
牛伏川本流水路は、松本市南東部の筑摩(ちくま)山地に所在する牛伏川砂防施設の一部である。大正5年度に施工された石造の流路工で、東西延長141メートルの水路内に19基の床固(段差)を配し、全体が階段状を呈することから、階段工とも称される。
設計は、長野県内務部土木課が行い、内務省技師池田圓男が指導にあたった。階段状の形式は、アルプス渓流砂防の水路を参考として、池田が提案したものである。
牛伏川本流水路は、周辺の地形に応じて選択された独特な階段状の形式を、熟練した石積技術を用いて実現しており、技術的に高い価値を有する。また、緑化による治山を実現した牛伏川砂防施設の基幹となる施設であり、歴史的に価値が高い。