文化遺産オンライン

旅愁

りょしゅう

概要

旅愁

りょしゅう

版画 / 昭和以降

三岸好太郎  (1903-1934)

みぎし こうたろう

昭和9年/1934

印刷(凸版墨刷)・手彩色(水彩・グワッシュ)・紙

縦30.2×横22.4cm

(筆彩素描集『蝶と貝殻』より)

旅愁
Loneliness on a journey
1934年
北海道立三岸好太郎美術館蔵[P-8]

三岸好太郎は1934年、蝶と貝殻をモティーフとした素描10点をもとに、その描線を凸版墨刷として、各葉に手彩色を加えた画集『筆彩素描集 蝶と貝殻』を100部刊行した。刊行に際しては各冊に限定番号が付されていたが、本作はその素描集のなかの一葉で、番号については確認できない。
このイメージは、第4回独立展出品の同名の油彩画(60号変形/法人蔵)とほぼ同様の構図である。同年に三岸が発表した詩「蝶ト貝殻(視覚詩)」のなかに登場する「バンドホテル」(1929年横浜に開業、戦前は客室から海が眺められた。1999年に取り壊されて現存しない)に三岸が節子夫人と滞在した際に着想を得た。
詩の一節には「ホテルの鎧戸ハ白ク/外界ハ薄暮デアル/トギスマサレタテーブル/(中略)/トランクヨリ取リ出サレタ貝殻ハ重大ナ物語リヲ始メタ」とあり、三岸は持ち歩いていた貝殻をホテルの部屋の窓際に置き眺めていたという。油彩画では省略されているが、白い鎧戸や帆を広げたヨット(詩の別の箇所には「大キナヨットハ食料品ヲ乗セテ40ノ如クニ走ル」と記されている)がこの図には描かれている。

旅愁をもっと見る

三岸好太郎をもっと見る

北海道立三岸好太郎美術館をもっと見る

キーワード

貝殻 / 三岸 / / 好太郎

関連作品

チェックした関連作品の検索