永長の大草履
ながおさのおおぞうり
概要
この大草履は「鬼の金剛」ともいわれ、西予市宇和町永長地区で、正月16日に悪霊退散を祈って村境の橋のたもとに掛けられるものである。正月16日は「念仏の口明け」と称し、地獄の釜が開く日とされ、この日に寺参りや念仏講、家の仏の供養などが行われるが、南予地方においては、村境に大きな藁草履を吊るす風習が広く伝えられている。永長地区では、当日各戸から常居寺に集合し、百万遍の数珠を回して家内安全、五穀豊饒を祈願し、寺に供えた大草履を永長橋に持っていき、疫病悪霊退散を祈る。この大草履については、大男がこれを履いて地区を守るという伝説や、平清盛がこの地を訪れたとき片方の草履が傷み、困っているのを見て地区の人が草履をつくって献上したという伝説が残っている。
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愛媛県歴史文化博物館