御短冊 「朝落葉」
おんたんざく あさおちば
概要
霊元天皇第十六皇子職仁親王は能書として聞こえ、独特の書風を創始された。これを有栖川流と呼び、歴代受け継がれ、特に九代熾仁親王は、幕末から明治初期に特出している。この皇太后御筆にその影響がみられる。自詠の御和歌である。
よく明治天皇を補佐し、逸話も多い。現学習院女子高等科やお茶の水女子大学の設立、日本赤十字社の発展などに大きく寄与されるなど社会事業に積極的に参加され、近代日本の皇后像を確立された。
伝統文化諸般にも精通され、和歌の作品も多く、その一部は『昭憲皇太后御集』としてまとめられ、また、現在も校歌として歌い継がれているものもある。
(『名筆へのいざない―深遠なる書の世界―』海の見える杜美術館2012 解説より)