玉御殿 石牆
たまうどぅん せきしょう
概要
玉御殿は,琉球王家第二尚氏初代尚円王の父尚稷(しょうしょく)らの墓所で,伊是名島南東の小山の北麓に位置し,康煕(こうき)27年(1688)に整えられた。岩盤に接して造られた石造の墓室と,その正側面を画す石牆からなり,正面中央にアーチ状の門を開き,前面に石段を築く。墓室は琉球石灰岩積で,石製の棟木に平石を切妻形に置いて漆喰で仕上げた,いわゆる破風墓の形式をもち,内部は東西に2室を設ける。
玉御殿は,築造年代が明らかな琉球王家の墓所として貴重であり,琉球地方における造墓形式や築造技術の特色が顕著に認められ,高い価値を有している。