朱漆塗葵紋蒔絵盃
しゅうるしぬりあおいもんまきえさかずき
概要
総て朱漆塗で、10口は西条藩松平家の家紋である隅切角に三つ葵紋が蒔絵され、10口は無紋である。箱蓋の表に「角御紋付/御引盃/弐拾個」、箱蓋の裏に「明治四十五年新調」と墨書があり、本資料は明治45年に新調されたと考えられる。明治45年時点での旧西条藩主松平家の当主は11代松平頼和である。松平頼和(1894〜1940)は、最後の西条藩主松平頼英の子で、子爵に任ぜられ、ドイツ留学で政治・法律を学んだあと、宮内省の式部官兼主猟官を勤めた。その一方、能に造詣が深く、数多くの謡曲本を収集した他、明治41(1908)〜大正4(1915)年の間、観世元親などと共に東京の能楽堂・井伊伯爵家・日本橋倶楽部などで行われた能会に囃子方として参加している。
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愛媛県歴史文化博物館