吽字義
うんじぎ
概要
空海は恵果に出会う前にインド出身の訳経僧である般若三蔵に会っている。『御請来目録』には般若三蔵がインド北部の「罽賓国(けいひんこく)」出身であり、空海に梵夾(サンスクリットの原典)を授け、実際に空海は42部44巻の梵語資料を日本に持ち帰り、梵語の重要性を日本で初めて著述した『梵字悉曇字母并釈義』をまとめた。このように空海は悉曇梵語(サンスクリット)や真言・陀羅尼に通じていたが、「阿吽」の「阿」がサンスクリットアルファベット(悉曇字母)の最初の字で「吽」は口を閉じて発する最後の音であり、この「阿吽」の二字が諸法の全体を象徴した。本書は「吽」について空海が解釈した著作である。江戸時代刊。
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愛媛県歴史文化博物館