九島浦絵図
くしまうらえず
概要
九島浦絵図
くしまうらえず
歴史資料/書跡・典籍/古文書 / 絵図・地図 / 江戸 / 愛媛県
江戸時代後期
紙本着色
411.5cm×340.5cm
1舗
愛媛県西予市宇和町卯之町4-11-2
愛媛県歴史文化博物館
宇和島藩が九島(愛媛県宇和島市)を測量して作製した絵図。九島は宇和島の西、宇和島湾に浮かぶ島で、本九島・百之浦・蛤の三つの浦があった。また、島の南東対岸に当たる坂下津浦なども、江戸時代、九島浦の庄屋が所管する村域であった。本図は北側の一部が欠落しているが、九島浦全体を描いた実測図となっている。百之浦に庄屋所・高札場があるほか、対岸の坂下津・小浜・平・蕨は村役人の家が示されている。土地としては緑色で示された山がほとんどであるが、雑木林や薮のような描写もあり、山の植生が細かく描き分けられている。山の中に薄緑色が点在しているのが段々畑を示している。九島には江戸前期まで荒地が多かったが、元禄(1688~1704)頃になると「畑大分開」とあり、開発が徐々に進んでいったものと思われる。海岸部に黃色が見えるのは田である。狭い谷間のわずかな土地に田が開かれている。集落の前の海には漁船や網船が浮かび、沿岸部には赤丸を付して漁場を丹念に描いている。