武将図(出陣図)
ぶしょうず しゅつじんず
概要
この2曲屏風に、西洋的な遠近法、明暗・立体表現で描かれた二人の武人です。類似作例の「泰西王侯図屏風」(ボストン美術館蔵)と同様に、城館建築を背景に、甲冑を身にまとい優雅な所作を見せる王とその廷臣を描いています。一見西洋絵画のようにも見えますが、素材は油画ではなく日本的な顔料絵具が使われています。
日本で布教活動を展開したイエズス会のセミナリオで教育を受けた日本人画家による作品と思われます。この屏風は明治か大正時代まで西村家に伝来し、その祖先は、原城を陥落させた松平信綱の家臣・西村次郎右衛門で、この屏風も次郎右衛門が原城から持ちだしたとする伝説があります。
【南蛮美術】